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悪質詐欺には3つの特徴がある。日本初の「集団訴訟プラットフォームenjin」に聞く被害実態

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テレ東プラス

2019.9.19

enjin_20190919_00.jpg画像素材:PIXTA

オレオレ詐欺、フィッシング詐欺、投資詐欺など、詐欺犯罪の手口がますます複雑になっています。警察などの啓蒙活動により被害が収まっても、すぐに新たな手口が生まれ、いたちごっこになっているのが現状です。

そんな詐欺被害を撲滅するべく立ち上がったのが、日本初の「集団訴訟プラットフォームenjin」です。今回は、同サービスを立ち上げたClassActionの村田光司代表取締役と、詐欺被害に詳しい弁護士法人天音総合法律事務所の正木絢生代表弁護士に、近年の詐欺の被害実態についてお話を伺いました。

「泣き寝入りの被害をなくしたい」サービス誕生の経緯


enjin_20190919_01.jpg▲「集団訴訟プラットフォームenjin」より

──「enjin」は集団訴訟プラットフォームとのことですが、どのような活動をしているのかお伺いできますでしょうか。

「enjinは『詐欺などの少額被害者が泣き寝入りせざるを得ない現状を変えたい』との思いから、2018年5月末に立ち上げたサービスです。公認会計士の資格を持つ私は、仕事を通じて弁護士事務所の資金繰りを見ることがあり、そのなかで多くの少額被害者たちが弁護士費用を支払えずに泣き寝入りしている現状を知りました。実際、消費者庁が公表している『消費者被害・トラブル額』の推計結果によると、2017年の被害額(契約購入金額ベース)は約5.7兆円にものぼります。このように費用がハードルになり提訴を断念してしまっている被害者を集めることによって、弁護士費用をシェアできれば、これまで顕在化していなかった悪質な事件を明るみに出すことができるわけです」(村田)

──情報商材など詐欺かどうかを判断するのが難しい場合も多いと思います。どのような条件が当てはまると、詐欺だと立証されるのでしょうか?

「欺罔(きぼう)行為と言って、相手を欺いて財物を交付させた場合、詐欺罪に問われます。例えば、儲からないことがわかっていて、投資話を持ちかける行為などですね。なお、民法では確実に騙す意思を持って販売しない限りは、詐欺になりません」(正木)

──そうなると、詐欺と認められるハードルは高いですよね。

「ただ、消費者契約法という消費者を守る法律があり、この法律では、事業者が事実と異なることを伝えて勧誘した場合、消費者が事業者の故意や過失を立証する必要はありません。少額被害の詐欺や情報商材によるトラブルの場合は、消費者契約法で攻めることが多いですね」(正木)

悪質な「投資詐欺」が増える3つの理由


enjin_20190919_02.jpg▲弁護士法人天音総合法律事務所の代表弁護士・正木絢生さん

──「集団訴訟プラットフォームenjin」で扱う事例では、どのような被害が多いのでしょうか?

「仮想通貨を使った投資詐欺は、かなりの被害報告が寄せられています。ネット上で取引が行われて、その後のお金の行方が追いづらいため、詐欺師にとっては格好の商材となっています。よくある手口はリターンの大きい投資話を持ちかけ、多額のお金を集めたあとに、運営者がトンズラするケースです。また、現在、訴訟が始まっているプロジェクトに『みんなのクレジット詐欺』があります。こちらも同じく投資詐欺で、『不動産ローンファンド』や『中小企業支援ローンファンド』等の商品名でファンドの出資者を集め、2年弱で34億円もの投資金を集めました。中には10%以上の高額利回りを謳い文句にした商品があったり、商品を申し込むと得られるキャッシュバックキャンペーンなどを多用して、急激に顧客を獲得した背景があります。ですが、販売時に誤解が生じかねない勧誘行為があったことに加え、ファンド投資金の一部を個人の借金の返済に回したことなどから業務停止命令が下り、被害者が集まりました」(村田)

──だまされてしまうのは、何が原因なのでしょうか?

「大きく3つあり、1つは"リターンが大きい"こと。多額の成功報酬に目がくらんでしまうケースですね。2つ目は"運営元に信用力がある"こと。メディアなどでの露出が多く、きちんとしたオフィスを構え、従業員も多い。そういった外側だけで「信用できる」と判断してしまうことです。3つ目は、いわゆるネズミ講のような"連鎖配当構造が採用されている"こと。例えば、紹介者に10%の配当金が支払われるという案件であれば、1,000万円の投資で100万円の紹介料が入ります。大元が詐欺師だと知らずに、この配当構造のメリットだけで投資話を広げてしまう人が多いんです。これらの条件がそろっている投資話は、一度疑ってみたほうがいいですね」(村田)

──ネズミ講というのは古くから聞く手口ですが、今でも行われているんですね。

「この連鎖配当構造の厄介なところは、下層部にいくほど信用スコアが高くなる傾向にあることです。下層部にいる人は運営側の知らない人間ではなく、信頼ある知人から話を持ちかけられるので、より簡単にだまされてしまう場合があります。詐欺師にとって絶好のやり方といえます」(村田)

示談金が支払われ「和解」で解決した事例も


enjin_20190919_03.jpg▲ClassAction株式会社の代表取締役・村田光司さん

──集団訴訟のプロジェクトを起こす場合、どのような情報が必要になりますか?

「もっとも重要なのは加害者の情報です。加害者の大元が法人の場合は、確実に実在しているかどうか、社名、代表者名、本社の所在地といった情報を手元に用意してください。加害者が個人の場合も同様で、本名や居住地などの情報があれば、身元を追うことができます」(正木)

「ただ、不足している情報があったとしても、プロジェクトを立ち上げて被害者を集めることで、情報も集まってくるので、まずはお問い合わせいただければと思います」(村田)

──集団訴訟によって、どのように事件を決着させることができるのでしょうか?

「先程お話した『みんなのクレジット』は現在提訴中で、227名の方がプロジェクトに参加されています。1人で負担すると数十万、場合によっては100万円を超える弁護士費用がかかってしまいますが、enjinを活用したことで1人5万円程度で済んでいます。また、その他にも和解が成立したプロジェクトがあります。」(村田)

【取材協力】
集団訴訟プラットフォーム「enjin」

正木絢生 弁護士
東京・永田町と日本橋に拠点を持つ『弁護士法人 天音総合法律事務所』の代表弁護士。消費者トラブルや交通事故・借金・離婚・相続・労働問題など民事案件を主に扱う。メディア取材など実績多数。https://amane-lawoffice.com/

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